いよいよ、各証券会社で新NISAの積立設定が始まりました。
皆さん積立設定のお忘れはないでしょうか?
さて本記事ではSBI証券で取り扱っている投資信託のうち、多くの方が悩むであろう、全世界もしくは米国系(S&P500など)を対象とする銘柄を比較します。
他の記事には無い特徴として、表に出てこない隠れ運用コスト=総経費率についても調べています。
どうぞ参考にしてください。
総経費率について
投資信託の長期運用におけるランニングコストの重要性については、皆さんご存知かと思います。
例えば毎月5万円20年投資、利回り4.5%と5.0%の投資信託では、最終的に約100万円ものリターン変化が起きます。
無視するには大き過ぎる金額ですね
よって長期運用前提では、ランニングコストを抑えた投資信託を選ぶことが大切です。
さて証券会社HPでのコスト表示には、ランニングコストの”一部”である「信託報酬」しかありません。
しかし実は「信託報酬以外の経費=隠れコスト」が結構あって、お得そうに見えてお得じゃないという投資信託も多いです。
よって投資信託を選ぶ際には、本来は”総経費率”という観点から見る必要があります。
2024年4月からは総経費率表記の義務化で選びやすくなるぞ
そして長期運用を前提とする新NISAでは、コストを踏まえて良い銘柄を選ぶことが、リターンを最大化させる鍵となります。
SBI証券で選べる投資信託(全世界、米国系)
人気のSBI証券において、つみたて投資枠で購入できる投資信託は211本(2023.12現在)。
そのうち、これまた人気の全世界または米国絡みの投資信託は65本あります。
それらを信託報酬を低い順に並べ、選択肢に入りうる投資信託16本に絞ります。
信託報酬が0.2%を超えるようなインデックス銘柄は要らん
16本の内訳は以下の通りで、全世界が9本、S&P500が5本、全米が2本となります。
これらを順に比較検討していきましょう。
全世界系インデックス連動型投資信託
まずは根強い人気があり、数多くの企業が対象商品を投入している全世界系です。
総経費率は、最新期のデータを引っ張ってきています
今年は新NISA需要を狙い、日興(Tracers)と野村(はじめての〜)が相次いで全世界系投資信託を投入してきました。
総経費率は1年以上運用しないと出せないので、残念ながら上記2銘柄についてはNo Dataとなります。
この中で優秀さが際立つのは「SBI・オルカン」で、他社を圧倒する総経費率0.11台を叩き出しています。
人気の「V」シリーズじゃないから買う人は注意や!
純資産が上の「eMAXIS Slim オルカン」や「楽天VT」と比べても総経費率が低いのは、正直に言って驚きです。
個人的見解にはなりますが、全世界系での選び方は以下のように集約されるでしょう。
- とにかく安い銘柄がいい:SBI・オルカン
- 実績と安定感で選びたい:eMAXIS Slim オルカン
- 新しい銘柄に期待したい:Tracers、はじめてのNISA オルカン
米国系インデックス連動型投資信託
次に米国系のインデックス連動型投資信託です。
人気なのは大型株を集めたS&P500連動型ですが、全米インデックス連動型でも大きな違いはありません。
違いが気になる人は調べてみてくれ
さて全世界系同様に、新しい投資信託2本の総経費率は残念ながらNo Dataとなります。
他の銘柄はというと”優秀などんぐり”状態で、各社の経営努力ぶりが伺えます。
特に「SBI・V・S&P500」は後発ながら総経費率も低く純資産も一気に伸びてきた、今最も勢いがある銘柄の一つです。
逆に「はじめての〜」や「たわらノーロード」は、世界最大の資産運用会社であるブラックロック「iシェアーズ」の総経費率を下回るのは無理でしょうから、選ぶ理由がありません。
優秀なのは間違いないんですが…
また楽天VTIは純資産の割に総経費率が高く、あまり優秀とは言えません。
よっておすすめの選び方としては以下の通りとなります。
- 安さで選びたい:iシェアーズ S&P500
- 実績で選びたい:eMAXIS Slim S&P500
- 勢いで選びたい:SBI・V・S&P500
それ以外の違いは枝葉
今回フォーカスした総経費率と対象と純資産以外にも、対象インデックスの細かな違いや運用の上手下手などでリターンが少し変わったりもします。
しかしかなり枝葉の部分の話となりますので、最適解を選びたいゴリゴリの方だけ各自で調べてください。
新NISAのつみたて投資枠では前者3点の判断で十分です
最後に
新NISAの開始が目前に迫った今、2023年12月前半には積立設定をしないと2024年1月の購入(約定)にはおそらく間に合いません。
しかし1月の購入に間に合わなかった方も、どうぞ安心してください。
現金購入のみとなりますが、ボーナス月の積立設定で追加買い付けをすれば、しっかりと年間枠120万円を使いきれます。
インデックス投資のセオリーは資産を市場に晒す時間を最大化すること。
どうぞお早めに設定して新NISAのスタートをバッチリ切ってくださいね。
では次の記事でお会いしましょう!
またな
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